Technique(MR2)
05/02/01 update
6.【タイヤの効率】
7.【CFの荷重依存性】
8.【ドライビングは詰め将棋】
【タイヤの効率】
ここでタイヤを使う為の効率について少し書いてみたいと思います。
(※私が素人だということをお忘れなく。(^-^;;)
SF・・・・ タイヤのサイドフォース
D・・・・・ 抗力
CF・・・・ コーナリングフォース
CR・・・・ コーナリング抵抗
OTM・・・ オーバーターニングモーメント
SAT・・・ セルフアライニングモーメントまずは上記の図を見て下さい。
上記のグラフは、y軸をタイヤが発揮する(またはタイヤに懸かる)力を示しています。
x軸はタイヤの進行方向に対する横滑り角です。身近でわかりやすく言ってしまえば「フロントタイヤ切れ角」になるのでしょうか。
上記の「CF」が「コーナリングフォース」のグラフで、この「CF」がタイヤの向きを変える力だと思ってもらえば良いでしょう。
灰色で網掛けをしたところが「イメージ」ですが、タイヤの限界として使えるコーナリングフォースの領域です。「B」を越えるとタイヤが「ギャー」と鳴いて流れ出す所です。
※上の図はイメージですので”本当の”「使える横滑り角」の領域はもっと狭いことにご注意下さい。
サーキットやカートでタイムアタックをされたことがある方は経験があるかもしれませんが、「ちょっと軽めに行こう」と思って走ると目標に近いタイムが出て、「よーし、気合いを入れてもう一発!」と走ってみるとタイムが逆に落ち込んでしまうことがあります。
これは軽く走った時には「@」に近いところを使って走っているのに対し、気合いを入れた時にはオーバースピード等で「B」の領域を越えてしまっているからです。
何故「@」の領域を使った方が速いのでしょうか?
それは「CR(コーナリング抵抗)」が「B」の領域に比べ、「@」の領域の方が低いからです。「コーナリング抵抗が低い」ということはそれだけタイヤが転がりやすい、ひいてはパワーが路面に伝わり易いことを表します。
データを取ってみるとフォーミュラドライバーなどの一流選手は「@」の領域に近いところを使って走っているそうです。
ちょっとタイヤの使い方を考えてみませんか?(^-^)
ここではタイヤが発生するコーナリングフォースの荷重依存性について書いてみたいと思います。
(※私が素人だということをお忘れなく。(^-^;;)
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上記のグラフは、y軸をタイヤが発揮するコーナリングフォース(CF)を示しています。
x軸はタイヤの進行方向に対する横滑り角です。この「CF」がタイヤの向きを変える力だと思ってもらえば良いでしょう。
タイヤは身近なところで言うと「消しゴム」と同じような特性を持っています。
【MR2で速く走るためのドライビングスタイル】等でも述べてきましたが、上記のグラフがデータ的な証明となります。
同じタイヤでも、しっかりと垂直方向から荷重がかかっていれば発揮するコーナリングフォースは大きくなる事が分かると思います。
これが、「加重移動をすると曲がりやすくなる」といった事に繋がってきます。
フロントに荷重が懸かって垂直方向の荷重が大きくなるほどコーナリングフォースが大きくなります。このことはアンダーステアが出にくいことを意味します。
しかしながら、フロントに大きな荷重が懸かると言うことはリアの荷重は抜け気味に成ると言うことですから注意が必要です。この辺りはブレーキランスを適正化する事によって多少は改善します。
バイクのWGPではコーナー進入時にリアブレーキを最初に軽くあて、それからフロントブレーキを握りしめるというテクニックをトップライダーが使っています。
フロントのみならずリアにも荷重を懸けてターンインを安定させる狙いがあるようです。
大きな荷重をタイヤに懸て安定したコーナリングをする為には、ステアリングワーク・ブレーキング・アクセルワーク全てにスムースな操作が必要です。
操作が荒くなれば、スプリングがその時の適正ストローク量より縮みすぎ、荷重に適正なストローク量に戻ろうとするためタイヤに懸かる荷重が変化してしまいます。
その時のコーナリングスピードでタイヤが必要とするCF量が荷重が減ることによって減少するとタイヤが遠心力に負けてスライドが始まってしまいます。
コーナリング中にギャップで飛ぶというのがこの状態のもっともわかりやすい説明でしょうか?!
これらのことから、速く走るためには「スムーズな操作でしっかりと荷重を管理する事」が重要だといえるのでは無いでしょうか。※自分では完全には出来ていませんが。(苦笑)
題を見て「なんじゃそりゃ?」と思ったあなた、ドライビング時にイメージを持っていますか? 私も最初は持っていませんでした。(^-^;
前にも書きましたが、早く走るためにはアクセルを踏む時間を長く取る必要があるわけです。そこを踏まえるとストレートの手前でいかに早くアクセルを開けるかと言うことにつながってきます。そこで開けるためにはクリップをどこにとるか、ライン、コーナリング速度、進入スピード、ブレーキングキングポイントというように、求める結果があってそれに行きつくために何をしたら良いかを逆算して考える必要があります。
「あそこでこの車両姿勢にするためには、あの辺りからステアリングをゆっくり切り始めて」などなど、一瞬先の挙動を予測してそこに持って行くための操作をする必要があります。そういう意味でドライビングにイメージを持つことは必要ですし、ドライビングは詰め将棋だと思っています。あなたの考え方はどうですか?(^-^;